DTMにおけるヘッドホンの役割
今回はDTMの機材の中でも個人的に優先度がかなり高いモニターヘッドホンについてお話ししようと思う。
それではなぜ優先度が高いのか?
それはヘッドホンを使って音を正確に確認する必要があるからだ。
曲や音を作る側がへなちょこな出音で作ってしまうと聴く側の人間はもっとへなちょこな音で聴こえるのではないだろうか。
今ではスマホなんかで音楽を聴く人が増えている。スマホのスピーカーなんかで聴いた場合、悪い音はよりいっそう悪い音になってしまうのだ。
それでは数あるモニターヘッドホンの中からどれを選べばいいんだ?
そういった疑問にお答えすべくモニターヘッドホンの選び方について解説していこう。
モニターってなんだ?
そもそもモニターヘッドホンやモニタースピーカーのモニターって何のことだ?
普通のヘッドホンと何が違うの?
まずはそこから見ていこう。
普通のヘッドホン
よく電気屋さんでも販売している普通のヘッドホン。
様々なメーカーから出ているが、主な特徴として【音楽を聴きやすく色づけしてある】だ。
もちろん各メーカーは研究に研究を重ね、みなさんが心地よく音楽が聴けるよう、そして音楽で感動が得られるよう試行錯誤し作り上げている。
そこでよりわかりやすいメーカーをご紹介する。
ヒップホップ界のレジェンドDr.Dreという人が作ったアメリカの『beats』というブランドだ。
ちょっとおしゃれでチェケラな人たちはこのヘッドホンを使っているイメージがある。
そして決してチェケラではないが実は私も一台持っているのだ。笑
私がこのメーカーのヘッドホンを使うのはAppleMusicなどの音楽を聴いて楽しむ時だ。
何ともこのヘッドホンは低音がもうズンズンくる。サブベースが鳴り響くヒップホップミュージックや、四つ打ちダンスミュージックのズンズン感がかなり気持ちよく聴かせてくれる。
ところがこのヘッドホンで音楽や音を作ることは決してない。
beatsは元々低音が出るような色付けをしてあるので、元のちゃんとした音が確認できないのだ。(個人的意見)
※↑これはモニターヘッドホンではありません!
モニターヘッドホン
ここまできたらもう大体わかったと思うが、モニターヘッドホンとはより原音に近い音や音の位置を再現してくれるのだ。
普通のヘッドホンが音楽鑑賞用とするならばモニターヘッドホンは音をチェックする為のものだと思ってほしい。
音の隔離もハッキリしている為、最初は違和感が出て疲れちゃう人も少なくないだろう。
音を鮮明に聴き分けることができるようにこのモニターヘッドホンを使うのだ。
密閉型と開放型
ここからはシンプルに説明しよう
◆密閉型
その名の通り密閉されている為、音が外に漏れることなくモロに耳に入ってくる。
ダンスミュージック、ロック、ポップスなどハッキリとした音の確認に向いている。
デメリット・・・疲れる
◆開放型
音が少し開放(外に逃げる)されている為、音がよりナチュラルに聴こえる。
クラッシックやジャズ、ヒーリングミュージックなどやわらかい音楽に向いている。
デメリット・・・音が外に漏れる、外の音が入りやすい
ただ向いているからといって、そう決めつけるのは良くない。
私はダンスミュージックやエレクトロなどのジャンルを好んで作曲するが、今度開放型を買おうか悩んでいる。
難しいとは思うができれば実際に装着してみて自分の好きな音楽を試聴するのがベストだ。
ヘッドホンの性能を見分ける
ヘッドホンやスピーカーには再生周波数帯域という難しい言葉がある。
簡単に説明するとそのヘッドホンやスピーカーが【低い音から高い音までどこからどこまで鳴るのか】をHz(ヘルツ)という単位で表示してくれている。
数字が小さいほど低い音、大きいほど高い音になると思ってほしい。
その辺のモニターヘッドホンを見ていると低い音は大体10Hz〜が多い。
一概には言えないがヘッドホンの値段が上がるにつれ、20000Hz、22000H、24000Hzとより高音が鳴るようになるイメージだ。
あとは無線で繋げることができるBluetooth。
インターネット回線では無線(WiFi)を使われているお店やご家庭が多いと思うが、無線はやはり有線に比べるとスピードが遅くなる。
これはヘッドホンでいうBluetoothにも言えることで、音の劣化やレイテンシー(遅れ)にも繋がってしまうのだ。
よってせっかくモニターヘッドホンを購入するのであれば線があるタイプをオススメする。
結局どれを買えばいいの?
さてここまで説明したが、いざ買うとなるとやはり迷うだろう。
そこでまずは自分の好きなメーカーを見つけてその中から機種(クラス)を選んであげればいいと思う。
けれどもモニターヘッドホンというのはマニアックな部類に入るのでそこらの電気屋さんで売っているとは限らない。大阪日本橋のでんでんタウンなんかに行けばオーディオマニア大喜びのお店もあるのでそういうところで試聴するのもオススメだがなかなか行けない人もいるだろう。
そういう人の為に私が個人的にオススメできるモニターヘッドホンを紹介しよう。
ただ私自身も何台もヘッドホンを持っているわけでもないので、今までの経験を振り絞り皆さんにお伝えしようと思う。
① AKG K371(密閉型)
今現在私が使っているメインのヘッドホンがこちら。
うまく説明できなくて申し訳ないが、最初にこのヘッドホンで聴いた時にこれだ!!と思った。
まず大事なのが見た目がかっこいい。笑
そして低い音から高い音までフラットな音の特性と再現力。
そして何より安心感がある。値段もそんなに高くないのが魅力的だ。
今使っているこれが壊れてしまったらまた同じのを買ってしまうかもしれない。
自信を持ってオススメできる商品。
② AKG K712 PRO(開放型)
今現在私が欲しいと思っている商品。
こちらもAKG(アーカーゲー)と先ほどと同じブランドだが、こちらは開放型になっており、一度どんなものかと使ってみたいと思っている。
いわゆるプロと呼ばれている方たちも多数使用されており、信頼できるであろうと皆さんにも紹介したかった。
まぁ私自身がAKG好きということだな。
今調べていて初めて知ったが、AKGはオーストリアのウィーンにて1947年に創立しているみたいだ。
なんだそれかっこいいじゃないか。
③ SENNHEISER HD25(密閉型)
このSENNHEISER(ゼンハイザー)は1945年にドイツで生まれた。
こちらもモニターヘッドホンとして人気のある商品だ。
個人的な意見だが、このゼンハイザーはクセがなくオールマイティープレイヤーな印象がある。そして私の好きなアーティストもこのブランドを使っている。
オーディオマニアからも人気の商品で、一度知り合いのジャズ好きなオーディオマニアな方におすすめされた事もあり、それ以降このブランドを忘れたことはない。
◆番外編 オススメできない?ヘッドホン
SONY MDRーCD900ST
私がDTMを始めた頃最初に買ったヘッドホンがこちら。
超がつくほどに有名なヘッドホンで世界のハイスタンダードなどと言われている。
【オススメモニターヘッドホン】というワードで検索するとすんなり出てくるやつだ。
これしか使ったことのない私は他と比べようが無く、疑うことなく長い間満足げに使っていた。
ただ今現在、何台かのモニターヘッドホンを使用した私からはオススメできない商品である。まだ使ってはいるがメインではなくサブの役割になってしまっているのだ。
このヘッドホンは高音よりな特性をしてしまっているため、音楽を作るという作業には向いていないと私は思う。(悪いヘッドホンだとは言っていない。)
ただし全体的な高音や歌声などを確認するとき、または歌い手さんが歌う時につけるヘッドホンとしては優秀だと感じられる。
まだこの商品を推している人がいてるが、私にはなぜだかわからない。
ヨシトモの豆知識(ノイズキャンセリング)
皆さんはノイズキャンセリングという言葉は聞いたことがあるだろうか?
これはヘッドホンについている機能の名称なんだが、何とも名前からワクワクするのは私だけであろうか。
最初にどこのメーカーが出したのかは定かではないが、今ではあらゆるメーカーからこの機能がついたヘッドホンが販売されている。
名前からしてこの世のノイズを全て取り除いてくれるのであろうと、ろくに調べもせずにドキドキしながらノイズキャンセリングヘッドホンをポチったのだ。
もう次の日には届いてくれたので、早速装着し音を鳴らしてみた。
ん?なんだこれは?確かにノイズ(周りの車の音やその他の音など)はかなり軽減されているが、そんなことよりも圧迫感がひどい。もう脳みそが潰されるのではないかと焦ってしまった。これでは長時間このヘッドホンで音楽を聴く事なんでできるわけがない。
一体どういうことだろうかと調べてみたところ、ノイズを消す為になんと人間には聴こえない超高音をヘッドホンから爆音で流しているとの事だ。何だそりゃ。ほんとガッカリだわ。その日からこのヘッドホンを装着することはなかった。
というわけで私には全く合わず、すぐさま売り飛ばしてやった。
最後に
ヘッドホンにも言える事だが、店頭で視聴ができなくてどうしても通販で購入する場合はできればサウンドハウスで購入することをオススメする。
amazonや楽天などは正規金額よりかなり安かったりと、どうも中国製の偽物が出回っている印象だ。(見抜ける力があれば問題ありません)