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20年以上前の話
私がエレクトロ(打ち込み)ミュージックに興味を持ち始めた頃、周りの仲間たちは、まだ近所の音楽スタジオに入りギターやドラムの練習をしていた。
当時はYouTubeやSNSなど、情報を集める手段が今よりも圧倒的に少なく、自分の足を使い情報収集をしていた記憶がある。
よく大阪の楽器屋さんに足を運び、先輩風なロン毛の店員さんに色々教えてもらっていた。
エレクトロミュージックを作りたいのなら、パソコンとDAWソフトを使うか、専用のハードウェアを使うか、2つの選択肢があることがわかった。
当時の私は、パソコンの知識などほとんど無く、なんならパソコンに恐怖心すら覚えていたのだ。
高校生の頃、珍しくパソコンの授業があった。
その時に習った【壁に当たったボールを跳ね返す】というプログラミングをパソコンに入力するのだが、興味のない私にとっては、何かの呪文にしか見えなくて苦痛でしかなかったのだ。
そんな記憶がまだ新しく記憶に残っていたのか、私はパソコンを断念し、RolandのMC-909という、見た目もカッコよく、所有欲も満たしてくれそうな、専用のハードウェアを購入することにした。
初めて奏でたシンセサイザー
買って帰ったMC-909の説明書を、端から端までボロボロになるまで読み漁った。
今までギターやベースの音しか聴いてこなかった私の耳にとって、Rolandのシンセの音が新鮮で心地よく、いつも私を興奮させてくれたのだ。
まだバンドをしていた私は、このMC-909をライブハウスに持ち込み、バンドとエレクトロを融合させたりして遊んでいたが、メンバーであるドラム担当が、このエレクトロミュージックに納得していなかったのである。
それまでは、自分自身から出てくるドラムのテンポやリズムに、みんなが合わせる。
というのが当たり前だったが、『どうしてドラムの俺が、機械に合わせなくちゃいけないんだ』と疑問を抱いていたのだ。
複数人で演奏するバンドの難しさは以前から知っている。
一人でバンドはできないのだ。
音色の重要性
数年経っただろうか、私はこのMC-909に限界を感じていた。
私がしたい音楽への欲求の方が、上回ってしまったのだ。
ここで私は初めてMacを購入し、調べに調べて【Ableton LIVE】というDAWソフトをインストールした。
そこでビックリしたのが、【音色の少なさ】と【音色のショボさ】だ。
このAbleton LIVEはかなり高額なので、そりゃあもう、どんな素晴らしい音が出るんだろう?どんな編集ができるんだろう?と期待が胸を膨らませすぎていたのである。
Rolandのシンセ音との出会いがなかったら、私は今、音楽をしていない。
と思えるくらいにMC-909は好みの音色を奏でてくれているのに気づいたのだ。
そこですぐさま【DTM用の音源】を求め、大阪梅田のビルの中にあるDTM専門店?に足を運んだ。
店内は黒で統一されており、古びた楽器屋に慣れていた私は、そんな大人な雰囲気に緊張してしまった。
サラサラな茶髪が魅力的な店員のお姉さんは、オドオドしている私に喋りかけてくれる様子は微塵も感じない。
私は頑張って近づき、恐る恐る【DTM用の音源】について質問を投げかけた。
そうすると、不可解な質問が私の目の前に飛んできたのである。
『シンセサイザーをお探しですか?それともサンプリング音源でしょうか?』
この人は何を言っているんだ。
綺麗で魅力的なお姉さんに、訳のわからないことを聞かれると、【カッコつけなくちゃいけない】という何の意味もない衝動に駆られ、余計に混乱し、取り乱してしまった。
けれども【大好きな音楽のため】という力は、予想以上に強く、すぐさま質問体制へと切り替わってくれた。
サンプリング音源=生楽器系
シンセサイザー=エレクトロ系
ということは、何となくわかってきた。
私が欲しいのは確実にシンセサイザーサウンドだ。
そのことをお姉さんに伝え、どんなものが出てくるのかワクワクしていると、
『自分で音を作るようなタイプか、もう完成された音のようなタイプ、どちらがいいですか?』
ん?自分で音を作るとはどういうこと?
そもそも私には自分で作るという概念がなかったので、また混乱してしまいそうになったんだが、もうお店の雰囲気やお姉さんに慣れてきた私は、これでもか!というくらいにお姉さんに質問した。
今の私に必要なのは、自分で音を作るような、難しそうな代物ではなく、単純明快、完全に完成された音が欲しいとハッキリと伝えることができた。
その時に勧められたのが、音源が豊富で綺麗な音で有名な【SPECTRA SONICS】の【omnisphere】という、なんとも日本人には発音しづらいシンセだ。
決して安くなかったが、音を確かめる術もなく、迷う事なく購入したのだ。
ところがだ、残念なことにこのomnisphereも私のテンションを上げてくれるような音ではなかったのだ。
使い勝手のいい音源とは
このomnisphereもも素晴らしいシンセサイザーなんだが、どちらかというと、映画で使われそうな空間系のホワホワとした、綺麗な音が得意なイメージだ。
よってメインの音として使うのではなく、後ろの方で鳴っているような、サブ的な音でomnisphereは活躍してくれるだろう。
アンビエントな音楽や、幻想的な音楽を好むの人にはお勧めできるが、決してDTM初心者に、私が勧めることはない。
当時の私にはそんな音に対し、何の価値も感じることができなかった。
悔しさと悲しさで、まだ始めてもいないDTMを諦めそうになってしまったのである。
そう考えると、音色は自身のモチベーションを保つという意味で、かなり重要な部分であることがわかった。
それでは初心者にとって必要な音というのは【クオリティが高く、すぐにメインとして使える音】が最低条件になってくる。
私が今まで実際に使い、その条件を突破したプラグインたちを紹介しよう。
本当に長々と私の前置きに付き合ってくれてありがとう。
動画を作ったので観て欲しい。
最後に
動画で紹介したプラグインたちは、比較的管理が楽で、扱いやすい。
今使っている音源に飽きてきたり、物足りなさを感じたら、是非とも初めて購入するプラグインとして検討してみてほしい。
NEXUS4に興味がある方は上記画像をクリックしてくれれば、ホームページにリンクしてくれる。
KOMPLETE14に興味がある方は、このブログの一番上の画像をクリックすると、セール中のサウンドハウス(ポイントがたまってお得)のページにリンクするので是非活用していただきたい。
また質問があれば、なんなりと気軽にメールでも、コメントでもいつでもどーぞ。